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[再掲]「美味しんぼ 第604話 福島の真実その22」を読んだ。確かに208頁で士郎が鼻血を流している。 [アニメ・マンガほか]

『ビッグコミックスピリッツ』(2014年22・23合併号)の「美味しんぼ 第604話 福島の真実その22」を読んだ。

確かに208頁で士郎が鼻血を流している。

ただし、「福島の放射線とこの鼻血とは関連づける医学的知見がありません。」(新銀座中央病院耳鼻咽喉科医師、209頁)と医学的には、定かでないと、ちゃんと書いている。

「鼻血」についてみると、

「福島に何度かいらしているそうですが、体調に変わりはありませんか。」(岐阜環境医学研究所 松井英介所長、210頁)
「じつは、理由がわからないのに鼻血が出まして…」(士郎、211頁)
「やはり。」(岐阜環境医学研究所 松井英介所長、211頁)
「僕も鼻血が止らなくなった。病院に行ってもぜんぜん原因がわからない。」(211頁)
「む、私も鼻血が出た。」「大量ではなく、鼻をかんだら血が混じっているくらいだったが、」「福島に行くようになってからひどく疲れやすくなった。」(海原雄山、211頁)
「私も鼻血が出ます」「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです。」(井戸川、212頁)
などと、「鼻血」について、ちょっとくどいほど書いてある。

たしかに、岐阜環境医学研究所 松井英介所長が「福島に何度かいらしているそうですが、体調に変わりはありませんか。」「やはり。」などと言っているので、福島の放射線と鼻血との関係を暗示しているといえそうだ。

だが、それほどワンワンキャンキャン言うほどの表現には思えない。

あんまり騒ぐと、鼻血の原因をPM2.5のせいだと宣伝した効果がなくなるから、まずいと思って騒いでいるのか?

などと深読みされかねないので、そんなに騒ぐべきでないだろう。

大阪市長がワンワン言っていたようだが、関西に住んでいると、そんなに気にならない表現だ。

関東に住んでたり、関東に出張などで行き来する人は、鼻血がでたりしたら、

「もしかしたら、放射線のせいか?」

などと思ってしまった経験があるから、ワンワンキャンキャン言っているのだろうか?

ブラック企業で、労働条件について苦情を言う同僚をミンナでイジメるのと一緒で、自分が怖くて言えないことを他人が言うとイジメたくなる犬党特有の心情を吐露しているのだろう。

普通の健康状態で、年に何回くらい、月に何回くらい鼻血が出るものなのかは知らないが、通常の頻度を超えて鼻血が出るのだとしたら、不安に思って気にする人が出てくるのも当然だ。

不安になるから風評が出るのだろうから、

風評被害が出ないようにするには、ワンワンキャンキャン言う前に、

普通の健康状態の人の鼻血が出る頻度を発表してもらって、鼻血について詳しく知って、自己管理できるようにしてもらうのが一番のように思うのだが…

そうすると、本当のことが分かるからまずいからワンワンキャンキャン言うのだろうか?

ワンワンキャンキャン言うと、よけい不安をあおって、風評が大きくなる気がするのだが…

この風評を大きくして、何かを隠そうとでもしているのだろうか。

「美味しんぼ 第604話 福島の真実その22」の「鼻血問題」は、福島第一原発の事故現場の工事現場のような場所で鼻にチリが入って鼻血が出たのか?などと思うぐらいで、それほど怖いとも思わないが…

「1号機から3号機の燃料はメルトスルーして、今どこにあるのかもわからない…」「この状況で根本的な処置ができるはずがありません。」(士郎、205頁)という所の方が、怖い。

「メルトダウン」より「メルトスルー」の方が、言葉の響きが、怖い。

いったいどこまで、「スルー」していくのだろう?

ブラジルまでか?

などと、不安に思ってしまう。

『美味しんぼ』では一応、原子炉格納容器の底は抜けていないように描いてあるので、不安を煽ることはないと思うが…

熱い核燃料は何処まで行っちゃったんだろう?

風評被害が出ないように早く行方を明らかにしていただきたいものだ。

※危機管理広報的な発想をすれば、「鼻血」でワンワンキャンキャンいうのは、「メルトスルー」から目をそらすためということになるだろう。「鼻血」(危機を煽る語)と「風評被害」(危機を管理する語)を危機管理のためのスローガンにしたのだろう。究極の危機管理のスローガン「自粛」には及ばないものの、「風評被害」も応用範囲の広いスローガンだ。



以下
「『被災地で目立つ鼻血発症 岡山大教授ら調査』「美味しんぼ」の『鼻血』表現は、不安を煽るものでなく、事実を伝えるものであった? [世界の彼方此方で「ニャー」と叫ぼう。]」を再掲。

 2014年7月14日の『神戸新聞』ニュースサイトに「被災地で目立つ鼻血発症 岡山大教授ら調査」という記事があった。

「原発事故の後、福島では本当に鼻血を出す人が増えたのか。その疑問に答えるため、岡山大学の津田敏秀教授(環境医学)らは福島県双葉町の協力を得て調査。被災地外の地域と比べて鼻血の症状を訴えた住民の割合は高いことが確かめられた」のだそうだ。

「調査は、水俣病などの公害被害調査を参考に疫学的手法を採用。2012年11月、全町民を対象に実施した。」というから、『美味しんぼ』でこの研究結果を紹介していれば、鼻血には、科学的な根拠があったことになる。

「比較対象に選んだ滋賀県長浜市と比べ、鼻血を発症する確率は双葉町民の方が3・8倍あった。吐き気や疲れやすさなどの率も有意に高かった。」というから、いよいよ、放射線の影響が疑われる。

 ただ、滋賀県長浜市と福島県双葉町とでは、塩分摂取量がことなり、高血圧等の成人病の発症率が3・8倍(比較にならない程多い)なんてことはないのだろか?

 高血圧患者数の単純比較では、3・8倍(都道府県別統計とランキングで見る県民性http://todo-ran.com/ts/kiji/14940)にはならないようだが・・・

 ちなみに、2008年のデータで一万人当たり、福島県は900.96人、滋賀県は631.40人。高血圧と鼻血は関係があるそうだ。

 潜在的な患者数が4倍というのも考えづらいが・・・

 その辺の問題はないのだろうか?

 私なら、あとから、ワンワンキャンキャン言われないように、島根県の都市と比較するが・・・

 2008年のデータで一万人当たり、島根県は872.98人と福島県の900.96人に近い。

 これなら、潜在的な患者数(予備軍含む)も同程度と言い張れるから、明快だ。

 きっと、大きな声で言えない、深い事情があったのだろう。


「津田教授らは、長期の避難生活だけでなく放射線の影響があるとみており、熊本学園大学の中地重晴教授が調査の中間報告を昨年、学会で発表。健康管理の重要性を訴えた。郷地所長は今回、これらの症状を医学面から考察。」ということだから、

 医学上、問題ないのだろう。

津田教授は、
「『説明に無理がなく、内容に異論はない。鼻血の症状自体を認めない人もいるが、それこそ科学的な根拠がなく、問題だ』」「ただ住民の訴えは「『ストレスの影響』などと軽視され、実態調査もほとんどなされてない。津田教授は『大気中の微小粒子状物質「PM2・5」では大騒ぎするのに、調査する権限を持つ自治体の首長も、この問題では事実を調べようとしない。その責任は大きい』」と指摘したという。

 『神戸新聞』は同日付の「福島の鼻血『内部被ばくか』神戸の医師、学会で発表」という記事でも、

「東日本大震災による原発事故の後、福島県では、子どもを中心に鼻血が出る症状が相次いだ。漫画『美味(おい)しんぼ』で登場人物が鼻血を流す場面が『風評被害を招く』などと批判されたが、実際に放射性物質が結合した金属粒子が鼻の粘膜に付着し、内部被ばくを起こした可能性があることを、東神戸診療所(神戸市中央区)の郷地(ごうち)秀夫所長が12日に名古屋市で開かれた日本社会医学会で発表した。」と伝えている。

「郷地所長によると、福島からの避難者の2人に1人ほどが家族などの鼻血を体験している。突然出血し、普段あまり鼻血を出さなかった子どもが多いのが特徴。避難後はほとんどの症状が治まっているという。」

「郷地所長は、金属粒子が鼻の粘膜に付着したのが引き金となった可能性を指摘」し、

「金属粒子は直径数ミクロンで、人体のごく小さな範囲に1日100ミリシーベルトを超える放射線を出し、組織を損傷する」として、

「『もともと花粉症やアレルギーなどで粘膜が炎症していた人が出血を起こしても不思議はない』」などと述べて、

「大量に吸い込んだ人も少なくないとみられ、内部被ばくの問題と捉え、早期に科学的な調査と分析をすべきだった」と指摘したという。

 『美味しんぼ』の「鼻血」表現は、不安を煽るものでなく、事実を伝えるものであった可能性が高そうである。

 ワンワンキャンキャン言って、『美味しんぼ』を責めて、その尻馬に乗った犬党のヒトビトは、どう責任を取るのだろうか?

 あ、ジブンのせいでなにが起こっても責任を取らないのが、犬党だった。





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[再掲]ブラック・ジャックの顔の傷は、原子力政策を批判している? [アニメ・マンガほか]

 『手塚治虫漫画全集 ブラック・ジャック 第3巻』の第1話「友よいずこ」に興味深い記述がある。

 ブラック・ジャックの顔の傷が、少年時代に、黄色人種と黒色人種のハーフの友人のタカシという少年のお尻の皮膚を移植した痕であるとの秘話が語られている。

 確かに興味深い話だが、それよりも興味深いのは、ブラック・ジャックに皮膚を提供したタカシ少年が大人になって、自然保護団体の活動家になって、アフリカのアルジェで原子力基地計画の反対運動に加わって、不幸にも暗殺されたということだ。

 ブラック・ジャックの顔に移植された皮膚は、タカシの形見となったのである。

 ブラック・ジャックのあの特徴的な顔の傷は、自然保護団体の活動家が原子力基地計画の反対運動のために暗殺されたことを象徴しているのだ。

 これは、原子力政策への批判ではないだろうか。 

 さらに興味深いことに、手塚治虫は、暗殺者たちを狼とも犬とも見える動物の顔をした人間として描いているのである。 

 鼻血もよいが、犬党が展開している原子力政策に反対して行進する際の旗には、ブラック・ジャックの顔を描くのが相応しいかもしれない。

 著作権の問題があるから、無理か…。


※手塚治虫は、この物語の中で原子力政策に反対して暗殺された自然保護団体の活動家であるタカシを地球を治す医者と呼んで、地球を治す医者が必要だと書いている。


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[再掲]『ブラック・ジャック』の「人形と警官」 手塚治虫にも「文芸の哲学的基礎」があったようである。 [アニメ・マンガほか]

『手塚治虫漫画全集 ブラック・ジャック 第4巻』に第2話「人形と警官」という物語がある。

「人形と警官」は、警察官の人形の物語である。


この物語は、警察官の人形に市民が脅かされて、

「なんでえ人形のポリ公かい」といって、警察官の人形を痛めつけるという場面からはじまる。

警察官の人形は、市民に倒されたり、顔にペンキを塗られたりする。

そのたび、警察官は、倒された人形を起こしたり、掃除をしたりする。

そのうち警察官は、警察官の人形に話しかけたりするようになって、周囲から奇異な目で見られるようになる。

そんな様子を心配した警察官の母の「近所の人がねおまえがあの人形に話しかけてたって」との問いに、

警察官は、「ああ…、おれあいつ好きなんだ」などと答える場面が描かれている。

さらに手塚治虫は、警察官に「おれナマミの人間とはつきあえないんだよ」と語らせている。

警察官は、警察官の人形に悪戯する人間を捕まえようと張り込みをする。

犯人を見つけた警察官が、犯人を追いかける際に、信号無視をして車にひかれる。

瀕死の重傷を負った警察官の命をブラック・ジャックが救い、

警察官は入院先の病院の看護婦と付き合いはじめ、めでたしめでたしという話だ。


警察官の人形が人形だと分かった瞬間、市民が人形を痛めつける姿は、当時の市民の警察への感情が良く描けている。

警察官に「おれナマミの人間とはつきあえないんだよ」と語らせているところは、漱石の警察官は人間失格という言葉に通じるものがある。

どうやら、手塚治虫にも「文芸の哲学的基礎」があったようである。


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[再掲]アニメ『YAWARA』(1989年)は、途中から警察リクルート協賛作品化する?? [アニメ・マンガほか]

アニメ『YAWARA』(1989年)第17話の13分20秒あたりに、

松田記者が白バイ警察官に切符を切られる場面がある。

当時の警察官に対する市民感情がよく描かれている。

『メゾン一刻』に描かれている五代君が職務質問を受けるシーンに匹敵するよい表現である。

アニメ『YAWARA』は、柔道を題材にしており、警察関係者が多数登場してもおかしくないが、柔道家としての警察官が登場することがない。その点は、良いのだが・・・

なぜか、三葉女子短大柔道部の南田陽子が婦人警察官になる。

どこからかの圧力で、どうしても警察と柔道の関係を描かざるを得なくなり、男に全く持てない、女性としての魅力を完全に欠いた男狂いキャラ(警視庁の女性警察官の資質を見事に表現している?)の南田陽子を婦人警察官にしたとも考えられるが・・・

主人公の友人が警察官になるのだから、警察リクルート協賛作品といえそうである。

なぜか、アニメ『YAWARA』(1989年)は、途中から警察リクルート協賛作品化するのである。

アニメ『YAWARA』、原作漫画の『YAWARA』の南田陽子が婦人警察官になるという表現辺りから、漫画やアニメに描かれる警察関係者のイメージが一変するように思われる。

昔の漫画やアニメは、赤塚不二夫『天才バカボン』の「目ン玉つながりのお巡りさん」に代表されるように、

どことなく、市民からは忌避されるイメージで描かれていたのである。


浦沢直樹の初連載作は、『踊る警官』という作品らしい。この作品では、主人公山下が交通違反者にライブチケットを売りつける場面や、女性用下着を被って疾走するシーンが描かれている。主人公の名前は、山下より山本巡査の方がインパクトがあっただろう。浦沢直樹の警察官描写は、一生かかっても手塚治虫や赤塚不二夫には、及ばないだろう。



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[再掲]『めぞん一刻』にある五代青年の保護シーン [アニメ・マンガほか]

『めぞん一刻』第61話の最後の場面に、警察官による五代青年の保護シーンがある。

警察官の性質をなかなか良く表現できている。

最近のアニメにはこのようなシーンは少なくなった。

やはり、何か見えない力が働いているのだろうか?




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